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エアリス・ゲインズブール~FFⅦ
2012 / 08 / 01 ( Wed )
私は、ほとんどゲームをしないんですけんど、
そんな私でも、学生時代には夢中で遊んだ時期もありました。
夢中になったとはいっても、
ゲーム機は、叔父からもらった中古のプレステ1だったので、
最新のゲームソフトとは、初めからご縁がありませんでした(笑)

当時はプレステ3が発売直前で、ゲオなどの中古ソフト屋さんに行っても、
プレステ2用や、任天堂用がほとんどだったので、
旧型しか持っていない私は、遊べるゲームがほとんどありませんでした。
そんなわけで私が遊んだゲームは、そのほとんどがお友だちの小学生時代のお下がり品でした。

ホントのことを言うと、
私も、みんなのように最新の機械で最新のソフトを楽しみたかったけんど
プレステ2や3はとっても高価だったし
ビンボな私んちでは、新品のソフトを買うことさえ無理だとわかっていたので
お友だちにはわざと、あんまりゲームには関心のないふりをしていました(笑)

ハードが古かったせいもあって、
私のゲームコントローラーは反応がにぶくって、
素早い操作が必要なアクションゲームには不向きでした。
そのため、必然的にRPGやシミュレーションゲームのほうに傾倒しました。
最初に夢中になったのは、王道の『ドラクエ』で、
その他にもいろんな古いRPGゲームを楽しみました。

『ファイナルファンタジーⅦ』もそんな時期に遊んだ作品です。
このソフトはお友だちのTが、わざわざ自分の友人から買い取って
私に譲ってくれたもので、
私にとっては初めての3Dグラフィックスの作品でもありました。

Aerith Gainsborough


そして、私はこのゲームで初めて、
そこに登場するキャラクターたちに強い思い入れを感じました。
それまでは、ただクリアすることだけを目的にゲームをしていたのですが、
この作品では主人公のクラウドをはじめ、仲間たちがとっても人間くさくって、
ひとりとして、聖人君子や正義をふりかざすようなキャラがいないのです。
みんながクセモノと言ってはFFファンから叱られそうですが、
それぞれに秘めた過去があって、いろんな心の傷をもつキャラたちが集って
ひとつの目的のために力を合わせて戦っていくというストーリーになっています。

その中でも、私は特にこのエアリスが大好きでした。

彼女は、バトルユニットとしては決して強いキャラではありません。
お金持ちでもなく、お姫さまでもなく
スラム街に住むただの花売り娘です。
両親はすでになく、養母とふたりきりで街のはずれに住んでいます。
スラムのさびれた教会の中に、ちいさな花壇を作って、
そこでひとりでお花を育てて、それを街で売って暮らしています。
教会で偶然出会った主人公のクラウドに、
昔の恋人の面影を見たことがきっかけで、パーティに加わることになります。

物語の中のエアリスの役割については、長くなっちゃうんでWIKをご覧ください(笑)
『ファイナル・ファンタジーⅦの登場人物』

エアリスが亡くなった時、
私は初めてゲームで大泣きをしました。
ホント、テレビの前でコントローラーをにぎりしめて
『エアリス、エアリス』と彼女の名を呼びながら、声を出して泣きました。

バトルユニットとして特別に一生懸命、
彼女を育成していたからではありません。
彼女だけが、最後まで報われることなく、
物語の結末を見ることもなく
志半ばで、儚く表舞台から去ってしまったことが、
どうしようもなく切なくて、あまりにもやりきれなかったからです。

彼女にはシアワセになってほしかった。
英雄にならなくていい、
活躍できなくてもいい、
せめて最後はスラム街にささやかなお花屋さんを開店するとか、
そんなエンディングを迎えてほしかった。

仲間のテイファが、物言わなくなった彼女の髪を慈しむようになでてあげて、
主人公のクラウドが、彼女の遺体を泉の奥底に水葬するシーンは
顔がぐちゃぐちゃになるくらい泣きました。
そしてその日からしばらくの間、ゲームを続けることができませんでした。

私はエアリスに、すっかり自分を投影していたんですね。

『エアリスのテーマ』

この『ファイナルファンタジーⅦ』のラストは
今は亡きエアリスの最後の願いが、星に届くという形で終わります。
エアリスの願いが届く壮大なラストシーンは必見です。

たかがゲームなんですけんど、
ゲームは映画と違って、自分もその舞台に参加することになりますから、
より深くその世界に入っていってしまいます。
その意味でいえば、ゲームは
『自分も出演できる映画』といえるかもしれませんね(笑)

ちなみに私はこのゲームのあと、
『ファイナル・ファンタジーⅧ(エイト)』にも挑戦したのですが
このⅦ(セブン)の影響があまりに大きかったせいでしょうか、
なんだか、とってもつまらなく思えて、結局途中でやめてしまいました。
それ以降、ゲームから遠ざかり、今に至っているというわけです(笑)

エアリス・ゲインズブール
(Aerith Gainsborough)
アイシクルロッジ出身 血液型:O型 163cm 22歳没
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07 : 02 : 52 | 映画・ドラマ | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
ほんの数分間
2012 / 08 / 03 ( Fri )
先週、お仕事で、
私が小学校低学年の頃に住んでいた町を
偶然、社用車で通り抜けました。

その町には一年ほどしか住んでなかったし
お引っ越してから一度も再訪してなかったし

あれから15年くらいの時が流れていたので、
いまさら町の風景を見ても、
ほとんど記憶はないやろ、と思っていたんですが

ああ
覚えているものなんですね。

ところどころに見覚えのある建物や、
路地があって、
あの角を曲がると、公園があったとか、

今まで忘れていた
遠い遠い
さまざまな出来事を、
まるで走馬灯のように思い出したのでした。

懐かしいというには
想い出の数が少なすぎて
誰と遊んだとか、そんな記憶はありませんが

町の空気といいますか、
私の感覚が、
かつてはその町で
自分が生きていたことを教えてくれるのです。

あの頃、この町は宇宙のように広くて、果てしなくて
学校帰りに
私はしょっちゅう迷子になっていました。

あの頃は、数か月から、一年単位くらいで、
お引っ越しを繰り返していたので
私にはなかなかお友だちができず
この町でも
学校が終わると、
私は、いつもひとりで下校していました。

あの道はいまも変わらずにあるのかしら。
平屋が並んだ市営住宅はいまもあるのかな。

車はほんの数分で
町を抜けていきました。

想い出はほんの数分間
悲しみもほんの数分間
今の私も
やがてはほんの数分間

車は次の営業地へと向かいます。

14 : 27 : 24 | ちょっと思ったこと | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
ひきこもり
2012 / 08 / 06 ( Mon )
昨日はお天気もよかったし
夜には近所でお祭りもあったんだけんど
私は結局、一日中お部屋に閉じこもって
なんにもしませんでした。

私んちでは、昼間はクーラーを使わないので
むしあついお部屋の中で
朝からずっとアイスコーヒーばかり飲みながら
ただぼんやりと無意味な時間を過ごしていました。

そんで、暇にまかせて
ぽちぽちとブログのテンプレを改造したり、
なんとなくネットサーフィンをして、
全国のブロガーの方々の近況などを見たりしていました。

そして、ちょっと気がついたことがありました。

私が共鳴できるブログといいますか
私に似た発想や感覚をお持ちの方々は
自称『ひきこもり』と名乗ってらっしゃる方々にたいへん多いのです。

私は、ヒッキ―ではありませんが、
その思いや、焦りや、疎外感などは
私の普段からの思いと、たいへん共通点が多いのです。
むしろ、私はそちら側に近いのではないかとさえ思えます。

私が『ひきこもっていない』のは、単純に『生活ができない』からに過ぎず、
もし、ひきこもれる状況であるならば、
とっくにひきこもっていたかもしれません。

私はヒッキ―の方々に対して、良いとも悪いとも思いませんが
ひきこもってらっしゃる方々のほとんどが、大変苦しんでおられるご様子なので
いつか、その苦しみから脱することができればいいよね、とただ純粋にそう思います。

やらなくちゃいけないことがあるのに
それはよくわかっているのに、
どーしても立ち上がれない。
人がこわい、
明日が不安、
気はあせるんだけんど
あせるばっかりで、何もできてない。
ただ、日々だけが無意味に過ぎていく。
そして、そんな自分に絶望的な気分になる。

ひきこもっても苦しい。
外に出ても苦しい。
心の行き場がないのは、私も同じです。

私は、そんな方々とお友だちになって
できれば気さくに、だらだらと
ヒッキ―だとか、
そーでないとかは全部無視して、
『明日はどーしよーかなー』なんていう、お話をしたいと思うのですが、
そんなことを言っちゃうと、
『おまえに何がわかる』なんて叱られちゃいそうだから
いつもこっそり、遠くから様子を覗いているって感じになってます。

今日も朝からアイスコーヒーばかり飲んでいます。
私は、ホットはネスカフェなんですが、
なぜかアイスコーヒーはブレンディです。

もう一杯いただいたら、履歴書を書いて
今月中にもう一件、面接を受けるつもりです。

11 : 33 : 07 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
鉄塔 武蔵野線
2012 / 08 / 08 ( Wed )
私は毎年、夏になると、ある映画を思いだします。
それは『鉄塔 武蔵野線』という少年映画で、
ある少年の夏休みの出来事を題材にしたものです。

鉄塔って、電気を送ってるあの鉄塔?って
最初私もこのタイトルにびっくりしちゃいましたが、
このお話では、その『鉄塔』が見事な主役になっているんです。

鉄塔 武蔵野線とは実在する送電線で、
東京都保谷市と埼玉県日高市を結ぶ全長28.1km、送電電力15万4000ボルト、
通称「武蔵野線」のことです。

物語の主人公は、東京保谷市に住む平凡な、ひとりの少年です。
原作と映画では、微妙に設定や結末が異なっているんですが、
ここでは私が観た映画のほうのお話をしたいと思います。

mu.jpg


少年の両親は別れて住むことになりました。
少年は母親に引き取られることになり、
この夏休みが終わったら、二学期からは母親の実家がある長崎へ転校することになっています。
これが少年にとって、東京ですごす最後の夏休みでした。

少年の父親はとてもロマンティックな人で、天体観測が趣味です。
また、なぜか鉄塔の下にはピラミッドにも負けないパワーがあると信じていて、
その場所で、競馬の予想などをして、当たったこともあります。

少年が小さい頃は、日曜日ごとにそんな父親と鉄塔の下でよく遊んでいましたが
少年が成長するにつれて
父親とはあまり話さなくなり、一緒に遊ぶこともなくなりました。

KKOUO.jpg


東京での最後の夏、
夏休みももう後半になっていたある日、
少年がひとりで公園で遊んでいると、
ふとしたことから、公園内の鉄塔に『71』と書いてあるプレートを発見します。
それがなんの数字だか、最初はわからないのですが、
ふと、少年はその隣の鉄塔を調べてみようと思い立ちます。

そして送電線を伝い、その隣の鉄塔まで行ってみると、そこには『70』という数字がありました。
さらにその隣の鉄塔まで行ってみると、そこには『69』の数字があるではありませんか。

少年にとって、これは大発見でした。
つまり、この数字をずっとたどっていくと、最後には必ず『1』の鉄塔があるはずです。
父親が鉄塔にはパワーがあると言っていました。
普通の鉄塔でもパワーがあるのだから、
この『1号鉄塔』には、きっと、とてつもないパワーを持つ『何か』があるに違いないと少年は思いました。

そうして少年にとって、この夏最大の大冒険が始まりました。

少年は近所に住む、年下のお友だちを誘い、
リュックサックに自転車という出で立ちで、颯爽と冒険に出発します。
前夜には、ビール瓶の王冠をつぶしたものをたくさん用意しておきました。
これを、冒険の『証し』として、自分たちが訪れた鉄塔の真下にひとつづつ埋めていくつもりです。
親には、この大冒険は秘密です。
たったふたりしかいませんが、この『探検チーム』の結束は固いのです(笑)

img_305287_57695795_3.jpg


炎天下の夏の日差しの中を
2台の自転車に乗ったふたりの少年が、鉄塔を目指して走りぬけていきます。

いつのまにか、どちらが作ったのかわかりませんが
『鉄塔調査隊のうた』までできています。
『隊』といっても、ふたりしかいませんが(笑)

鉄塔はいろんな場所に立っています。
ある時は広大な田園地帯の真ん中に、
ある時は住宅密集地に、
またある時は工事現場の中に、

少年たちはフェンスを越え、
丘を登り、
自転車をかついで川をわたりながら
ただひたすらに、送電線を伝って最終地点の『1号鉄塔』を目指します。

SSSS.jpg


夏の青い空をバックに雄々しくそびえ立つ鉄塔
夕日を受けて逆光の中に見える鉄塔
あるいはコンクリートの土台に、その影だけを見せる鉄塔
ああ鉄塔って、こんなに美しいものだったのかと
再発見させられます。

夏の強い日差しの中、
ごくたまに流れる静かなBGMのほかは、バックには蝉の声しかありません。
距離を行くごとに、徐々に少年たちの服や顔が汚れていきます。
少年たちの顔のアップは、いつでも汗まみれです。

途中で、けんかをしたり、
王冠を埋めようとした鉄塔の真下に、大きな犬がいて近寄れなかったり、
自転車がパンクしてしまったり
冒険の旅には、さまざまな出来事があります。

KJHG.jpg

しかし、目的の最終地点にはほど遠い場所で、すっかり日が暮れてしまいます。

一緒に来てくれた年下のお友だちは、あたりが暗くなってくると、
とたんに心細くなって、
結局、25号鉄塔まで来たところで、彼は帰宅してしまいます。

それ以降、少年はひとりぼっちになってしまいますが、
それでも『1号鉄塔』を夢見て、このまま野宿することに決めます。
公衆電話から、母親には『友だちの家に泊まるから』などという見え透いた嘘をついたあと、
近くのスクラップ工場の自動車の中でパンを食べて、一夜を明かします。

翌日、朝早くから、少年は旅の続きをはじめますが
途中、川を渡ろうとして、片方の靴を失ってしまいます。
それでも、片足のまま冒険を続けるのですが、
17号鉄塔まで来たときに、鉄塔の巡回パトロールに発見されてしまいます。
前夜の電話を不審に思った母親が、捜索願いを出していたのでした。

かろうじて、巡回パトロールを振り切った少年でしたが、
あわてて逃げたために、自転車をその場に置いてきてしまいました。
それ以降、少年の旅は徒歩になります。
でも、このままでは足が痛いので、ごみ捨て場から、なんとか履けそうな靴をさがします。

もう、この時点での少年の姿は、
全身汗とドロにまみれていて、おまけに靴は片ちんばだし、
顔もまっくろになっています。

tt_top1.jpg

15号鉄塔は、ゴルフ場の中にありました。
少年は『証し』の王冠を埋めるため、フェンスを越えてゴルフ場に侵入しますが、
その帰りに監視員に見つかってしまいます。
汚れきった少年の姿を不審に思った監視員は、
『おまえ、何しにきたんだ』と強い口調で責め立てますが、
少年は無言でうつむいて、答えようとしません。
監視員は少年を蹴り倒し、
『どうせ、どろぼうにでも来たんだろう。すぐに出ていけ』と怒鳴って
少年を追い出します。

少年が何も答えなかったのは
話したところで、どうせ大人には、わかってもらえないと思ったからだと思います。
彼はただ、鉄塔が好きで、王冠を埋めたかっただけなのです。

蹴られて、痛む足をひきずって、
少年はやっと道路まで出てきます。

お友だちは帰ってしまった。
靴も失くしてしまった。
自転車もなくなった。
大人からは怒鳴られて、しかも痛い目にあってしまった。
もう少年の気力は失せようとしていました。

img_305287_57695795_0.jpg


そこへバスがやってきます。

『もうやめよう』
『もう帰ろう』

そう思って、少年はバスに駆け寄ります。
そしてバス停の前に立ちます。
バスは少年を見つけて停車し、乗車口のとびらが開きます…

画面は、送電線の向こうに広がる、真夏の空を映しだします。
そして、バスのとびらが閉まる音が聞こえます……

次のシーン
小さなトンネルの向こうから、小さなシルエットが
小さな声で、なにかしら妙な歌をうたいながら、こちらに歩いてきます。
それは、あの『鉄塔調査隊のうた』でした。

そう、少年はバスには乗らなかったのです。

そして、遥かに続く送電線と、美しい鉄塔の姿を背景に、
たったひとりで、ボロボロの姿で旅をつづける少年の小さな背中に、おおたか静琉さんの主題歌が流れます。

ooo.jpg



あらすじは、ここまでにしておきます(笑)
少年は夢の『1号鉄塔』にたどりつけたのでしょうか(笑)

とっても地味な映画です。
これ見よがしな感動シーンがあるわけでもなく、
特撮もアクションもありません。
カメラは常にドキュメントタッチで、
原作で少年が歩いた道のりを、実際に子役もスタッフも一緒に歩きながら撮影したそうです。

調べてみると、レンタルも出ているみたいなので、
お暇があれば、どうぞ一度ご覧になってみてください。
あの少年時代の夏を、きっと思いだされることと思います。

そしていま、自分がどんな大人になっているのか、ふと考えさせられると思います。
07 : 40 : 51 | 映画・ドラマ | トラックバック(0) | コメント(23) | page top↑
底なし柄杓
2012 / 08 / 12 ( Sun )
その方を仮にAさんとしておきます。
Aさんは社会人になってから自転車を始められたのですが、
今では、その道30年のベテランサイクリストでいらっしゃいます。
そのAさんが、まだお若い頃、
ある夏に、会社のお盆休みを利用して『四国一周の旅』を企画されたことがありました。

当時はまだ、瀬戸大橋も存在せず、
関西方面から四国に渡海するには、
兵庫県の明石港からフェリーに乗って、いったん淡路島に渡り、
洲本市まで行って、そこからさらにフェリーに乗って四国に渡る、というルートが一般的だったそうです。

さて、このAさん、淡路島までは計画通りだったのですが、
洲本市に向かう途中で、自転車のトラブルに見舞われてしまい、
自分が乗船するはずだった四国行のフェリーに乗り遅れてしまいました。

社会人ですから、お盆休みの期間もそう長くはありませんので、
必然的に予定は強行軍となっていて、
日程では今夜中に香川県に渡ることになっていました。

Aさんが、目的のフェリー乗り場についた時には、もう夜半になっており、
港で次の船をしらべましたが、今夜の便はもうありませんでした。
やむをえず、Aさんはフェリー乗り場の待合室で一夜を過ごして、翌朝の便を待つことにしました。
そこへ、『助けの神』があらわれます。

たまたま、この待合室をのぞいた地元の漁港の方が、
Aさんのお話を聞いて、気の毒に思って、
ちょうどこれから荷物を瀬戸内海のある島へ運ぶ用事があるので、
その帰りに自分の船で、Aさんを四国へ渡してくださるというのです。

Aさんは感謝感激、
このご親切な方のお世話になることにしました。

船は漁船でしたが、操作室の真下には仮眠室もあり、
船底には冷凍庫もある立派なもので、そのような船に乗せてもらえることだけで
Aさんのこの旅の充実度は一気に頂点に達した感がありました。
また、このご親切な方こそ、この船の船長さんであり、
他に若い船員さんが3人いらっしゃいました。

Aさんはご自分とあまり年のかわらない若い船員さんたちともすぐに打ち解け、
思いがけず楽しい船旅となったことをとても感謝しました。

IMG_0796_20100502005731.jpg

何時頃だったでしょうか、
船員さんの仮眠室で寝させてもらっていたAさんは、
ふと、周囲の騒がしい音で目が覚めました。
少しだけ顔をあげてそちらを見てみると、
仮眠室につながっている隣の倉庫で、船員さんたちがなにやら探し物をしていました。
そして、まもなく船員さんのひとりが、大きなヒシャクのようなものを持って、倉庫から出てきました。

なにかあったのかな、
漁が始まるのかな、などと
Aさんは思いましたが、お手伝いをするにもAさんは非力ですし、
自分がいてもお邪魔になるだけだろうと思って、
いろいろ考えたすえ、何も気がつかなかったことにして、そのまま寝ているふりをすることにしました。

そしたら、しばらくすると、船の甲板のほうから、
『おーう、おーう』と
なにやら大きな叫び声のようなものが聞こえてきました。
どうやら、あの船員さんたちの声のようです。

さすがに、何事かと思ったAさん、
こっそりと仮眠室を抜け出して、外にでる小さな階段からおそるおそる甲板をのぞいてみました。

すると、若い船員さんたちが、船の縁のほうに集まって、
真っ黒な海のほうにむかって、何やら大声で叫んでいました。

『おーう、ええわ、そこにおれ、そこにおれ』と言っているようです。
それから船員さんの中のひとりが、先ほど倉庫から持ってきたヒシャクを
力いっぱい海に向かって放り投げるのが見えました。
そして、全員でくりかえし、くりかえし、
『おーう、ええわ、そこにおれ、そこにおれ』と叫んでいました。

Aさんはそれまで寝ていたし、あまりに突然のことだったので、その時は自覚しませんでしたが、
あとから思い返すと、
波が荒かったのでしょうか、船はちょっと揺れ気味で、
真っ黒な海には薄い霧がかかっていたということです。

しかし、まもなくその騒ぎも収まりました。
その様子を、こっそり見ていたAさんも、
事態の収拾を察して、そっともとの仮眠室へ帰りました。

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翌朝、船はAさんを無事に四国のとある港へと運んでくれました。
Aさんは、たった一晩だけでしたが
すっかり仲良くなった船長さん、船員さんたちと別れを惜しみながら、船をあとにしました。

彼らとお別れしたとん、Aさんは急にお腹が減ってきました。
そういえば、洲本市で自転車のトラブルにあって以来、
Aさんはちゃんとご飯を食べていなかったのです。

そこでAさんは、港の近くにあった小さなお食事処に入りました。
その時間帯、ちょうどお客さんはAさんただひとりだったこともあり、
Aさんはお店のおかみさんとすっかり意気投合して、いろんなお話をしました。

その時ふと、Aさんは昨夜の出来事を思い出し、おかみさんに、
このふきんでは、夜に特別な漁でもしているのですか、とききました。
すると、お店のおかみさんは、
Aさんが食べた食器を片づけながら、こんなお話をしてくれました。

ああ、そら船幽霊がでたんじゃろ。
船に向かってな、ホーイホイと言いながら、船を止めてしまいよるんじゃ。
船のもんが気がついて出てきたら、
海から顔出して、『ヒシャク貸せ』と言いよる。
貸さなんだら、船にあがって来るからのう、船のもんはヒシャクを海に投げてやらんばならん。
でも、ヒシャクの底を抜いてから渡さんと、
そのヒシャクで水をくんで、船を沈めてしまいよるでの。
げに、船のもんはみんな、底なしヒシャクを積んどるのよ。
盆じゃからの、
荷の仕事でもない限り、夜は誰も船は出さんよ。

おかみさんは、さもつまらないことのように
Aさんにそんなお話しをしたあと
テレビをつけて、高校野球の応援を始めました。
17 : 56 : 38 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(12) | page top↑
何かが始まるとき
2012 / 08 / 18 ( Sat )
なんだろなー
心の精算ができるまでには、すんごい長い時間がかかるんだけんど
いったん物事が動きはじめたら、ものすごい早さでローリングして、
まったく、ごく短期間ですべてが変わってしまうような気がします。

終わるのは一瞬、
始まるまでには時間がかかって
始まってしまったら、すごい加速、って感じやろか。

実は今度決まった職場ですけんど、
今週の14日火曜日の夕刻に、ハローワークで見つけて、
係りの方にお電話してもらったら、
人事課の方が、ちょうど翌15日水曜日の朝10時から面接を予定してるから、
その時間に履歴書をもって直接会社に来てください、ってご返事があったんです。

お盆で担当の方が、しばらくお休みされていたのが理由だったみたいですけんど
こんなことは初めてなので、急な展開にびっくりしちゃいました。

普通は書類選考があって、通知があって、面接なんだけんど、
偶然にせよ、その期間が全部省略されちゃった形になったんです。
ハローワークのデータによると、その会社への応募総数は私以外に24名いらっしゃいました。
そのうち採用予定は2名だったので
飛び入りはちょっと可能性低いな、とは思ったんですけんど、
その会社はお家からも近いし、まあ、半分社会見学のつもりで
翌日に面接を受けてみたのでした。

そしたら、
面接が終わって、お家に帰ってお洗濯をしていたら、
お昼前に、会社からお電話をいただいて
『内定したので、入社のための書類を揃えてほしい』って
ご連絡があったんです。

この間、正確にいえば24時間たっていません。

うれしいというよりも
『なんじゃそら』って感じでした。
これを『面談即決』っていうんでしょうか、
それにしても早すぎないかえ。
面接が終わってから、まだ2時間たってないやん。

あんまり早いから、なんか逆に『あやしい会社』なんじゃないか、とも思って、
内定のお電話をいただいたあとで、
ハローワークの求人票をもう一度調べなおして、会社のホームページも見てみましたが
とくにへんな感じはありませんでした。
創業は50年だし、昨日今日にできた会社ではありません。
私んとこは『大阪支店』なんですけんど、自社ビルであります。

でも、ただひとつだけ、ちょっと引っかかる点はありました。
人事課のご指示どおり、昨日、会社のほうに入社手続き用の書類を届けにいったんですけんど、
その時に聞いたお話では、
どうも、私は最初のうちは『受付』に配属されるみたいです。
『げっ、受付かよ』って思いましたが、
お話によれば、女子の内勤はみんな、最初は受付を経験してもらうことになってるんだそうです。
まー、決まりなら仕方ないけんどね。
とりあえず会社に潜り込めば、あとはどーにでもなるかもしれない、なんて
この際、楽観的でいこうとは思ってます(笑)

それと、昨日の帰りに見たんですけんど、
会社の面接はまだ続いていました。
面接室の前の通路の長椅子に、4~5人の方が座っていらして、
どなたも30~40代くらいの方だと思います。
事務員の募集だったので女性が多かったのですが、男性の方もおひとりだけいらっしゃいました。
みなさん、すごく緊張した面持ちで、深刻そうな感じさえ受けました。

ところが、私は飛び込みだったせいかもしれませんが、
私の時は、この面接室ではなく、
人事課の方のデスクに直接呼ばれて、その場でお話をさせていただいたので、
待ち時間が全くありませんでしたし、いきなりのことだったので緊張する暇もありませんでした。
面接時間も15分くらいでした。

これって、なんなんでしょうか。

『何かが始まるとき』って
案外、自分の意思とは関係ないところで、
何かが起こって、
その何かに導かれるように、
するするとそれが始まってしまうものなのかもしれません。

私にはよくわかりませんが、もし『そうなるようになっていた』のなら、
今のところは素直に、
それに従いたいと思っています(笑)

11 : 46 : 35 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(19) | page top↑
家紋
2012 / 08 / 20 ( Mon )
先日お母さんと、収納ケースの整頓をしてたら、
押し入れの奥のほうから
見慣れない桐の衣裳箱が出てきました。

一見して、その様子から着物が入ってるんやろな、とはわかりましたが、
どんな着物だったか、私にはこころあたりがないので
無造作になんとなく箱を開けてみて、びっくり。

なんとお父さんの羽織だったのです。

お父さんが他界してから、もうずいぶん経つので、
ほとんどの遺品は処分されて、一部だけが母方の実家で保存されてる状態なんだけんど、
こーゆーものがまだ我が家に残っていたとは、
私にとっては大発見でした。

まー、お父さんのことは、過去ログでいろいろ書いてるんで、
今回は省略するとして、
私が面白いと思ったのは、その羽織に刺繍してある
『我が家の家紋』のことであります。

以前にも述べたことがあったかもしれまっせんが
我が家の父方の家紋は『桔梗』でございまして、
『八重桔梗』と呼ばれるものであります。
私が法事などで使う着物にも、
小さくこの『八重桔梗』が入っておりやす。
こーゆーものに興味がおありの方は、ニヤッとされた方もいらっしゃると思いますが、
この桔梗紋の家柄って、けっこう癖があるんですよね(笑)

kkkk.jpg

有名どころでいいますと、
たとえば、あの『明智光秀』が桔梗紋であります。
明智家は『陰桔梗』だったそうですけんど、
wikや家紋サイトなどを見てみると、
この桔梗紋で有名なのは土岐氏の一族で、
戦国時代には黒一色の家紋の中にあって、土岐氏は水色の家紋だったそうです。
明智家はこの土岐氏の支流なのだそうであります。

桔梗紋の分布はこの土岐氏の勢力範囲だった美濃・飛騨を中心に
中部地方から西日本に拡がっていて、使用家も西日本が中心なんだそうです。

坂本龍馬も桔梗なんだけんど、あちらは『組み合わせ角に桔梗』なので
私んちとはちょっと形が違っています。

また、陰陽師で有名な安倍晴明も桔梗ですが、
晴明の桔梗紋は特別な形をしていて、どう見ても『星』に見えてしまいます。
映画『陰陽師』で、晴明が星の形に印を結ぶ場面がありましたが、
あれがそのまま家紋なんだそうです。

私のお友だちの男の子の中に、
あの徳川家で有名な『葵の紋』の系統の
『蔓三つ葵』の子がいます。
成人式の時に見せてもらったんだけんど、
男の子の紋付袴姿って、かっこいいですよね(笑)

まー、この『家紋』に対して、
特別なこだわりを持ってらっしゃる方もおられるみたいですけんど、
私はただの家族マークだとしか思っておりまっせん(笑)
でも、それが親から子へ、
子から孫へと伝わって、
それぞれの時代の子供たちが、
この家族マークを大事に思ってくれたとしたら
一番最初にこのマークを使ったご先祖様は、とっても喜ぶかもしれませんね。

家紋って、家族の数だけ全国にいろいろあるそうだけんど
皆様はどんな家紋をお使いですか(笑)
でも、『うちの家紋は菊だ』なんていっちゃダメだよ。
それは皇室でございます(爆)

18 : 20 : 45 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(14) | page top↑
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