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河川公園
2010 / 11 / 08 ( Mon )


お父さんが他界してから、
私たち親子はしばらく祖父の実家にいました。

でも、いつまでもお世話になってちゃいけないということで、
まもなく、お母さんは実家から少し離れた、淀川沿いの某駅の近くに
小さな文化住宅を借りて、そこに移り住みました。

当時お母さんはその駅前の、ある包装工場に勤めていたからです。

その頃の私は転校したばかりで、お友だちもいず、
学校が終わって家に帰っても誰もいないので、
よく淀川沿いの河川公園で、お母さんの帰りを待っていました。

公園から淀川をはさんで、向こう岸には、
いろんな工場がところ狭しと立ち並び、
そこにお日様が当たると、建物が銀色にキラキラ輝いて、
とてもきれいでした。

ときには、小さな船が、川から大阪湾に下っていくのが見えたり、
鳥たちが群れをなして、海のほうへとんでいくのが見えたりしました。

私はいつもその公園の、いちばん隅にある石のベンチにすわって、
ひとりで、本を読んだり、ノートに絵を描いたりしていました。

工場の向こうに夕陽が沈む時間になると、
遊んでいた子供たちは次々と家に帰り、
私はいつも一番最後でした。

土手をあがって、堤防から街を見下ろすと、
家々の灯りや、工場の照明があちらこちらに見えて、
長い夜を迎える準備をしています。

堤防の上を、まだ誰もいない自宅のほうに向かうと、
どこからか、夕飯の香りが漂ってきます。

私は、長くのびた自分の影を友だちに、
この堤防の道をずっと歩いたら、いったいどこに行くんやろね、
あの工場の煙突のさきには、何があるんやろね、
なんて話かけながら、歩いたりしていました(笑)

今でも、お仕事の帰りに近所の公園で、
ひとりでポツンとベンチに座っている子を見かけたりすると、
無意識に足が止まります。



19 : 37 : 44 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
--夕焼けの少女--

この文章は、淋しい嬉しいなどの感情表現が一切なく、淡々とした情景描写だけでその心を伝えている。
イッチーさんが書いてられますが、後半の切なさは、おろちさんと似た境遇で育った人が読むと、胸熱くなると思う。
この夕焼けの少女は、後年美しい女性へと成長しました。
by: TZR250 * 2010/10/22 07:13 * URL [ 編集] | page top↑
--夕日--

河川公園。
心を打たれました。
そして素晴らしい文章。
まるで美しい心から出る真理さんの歌声を聞いているようです。
ほめすぎかな。いや名文です。(笑止)
by: アルファルファ * 2010/10/22 00:00 * URL [ 編集] | page top↑
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