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Tubular bells~夏の夜咄
2011 / 08 / 17 ( Wed )
昭和42年の7月頃のお話であります。

当時大学生だったAさんは、その頃の時世に加えて、失恋の痛手を負い、思いつめて、ある投身で有名な観光地に出かけました。
もう、何もかもが嫌になって、想い出のあるこの場所で、身を投げようと思ったのでした。

だけどAさんが宿泊した旅館では、こーゆーお客様を防止するために、
従業員たちが、常に不審なお客様をチェックしていて、
そーゆーことができないように、宿泊客にたえず目を配っていました。

Aさんもそのことがわかったので、
昼間はつとめて明るく振る舞い、散歩に出る時も、
不審がられないように、わざとサンダル履きで出かけたりして、
荷物もまとめたりしませんでした。

何日か経つと、従業員たちも、そんなAさんからマークをはずしたのでしょうか。
たまにAさんが夜半にちょっと外出しても、誰も疑惑を持たなくなりました。

そして、いよいよ決行の夜、いつものようにAさんは、わざと軽装にサンダルのまま、
『ちょっと涼んできます』
とだけ、旅館の人に告げて、目的の断崖に向かいました。
ご両親あての遺書は、昨夜のうちにしたためて、旅館の小荷物の中に隠してありました。

昼間のうちに、充分に下見をして、
たとえサンダルであっても、手持ちの灯りがなくても、
断崖までたどりつけるルートを、あらかじめさがしておいたのです。

ところが、いざ、その山道に入ってみると、
途中から、どーしても道がわからなくなってしまいました。
あれほど、念入りに下見をして、しかも、単純な一本道を選んだつもりだったのに、
やがて見知らぬ岐路に出てしまいました。

引き返そうか、とも考えましたが、
自分の決意がゆらいではいけないと思い直して、
目的の場所に向かっていると思う道をひたすら歩き続けました。

ですが、いつまでたっても、
昼間に、自分の記憶に焼き付けたはずの道に出てきません。
そのうちに、さっき自分が通った、あの岐路に、また出てきました。

『道に迷ってしまった』

暗闇の山中で、Aさんが途方に暮れていると、
Aさんがつい今さっきまで歩いていた道から、
ひとりの男の人が歩いてきました。

暗闇でお顔はよくわかりませんでしたが、グレーのスーツ姿で、ビジネス用の鞄が見えました。
『どうされましたか』
その人は気さくにAさんに声をかけてくれました。
お声の感じから、年配の方のようです。
『すいません。道に迷ってしまって』
『ああ、この道はちょっと、知っている者でないと、わかりにくいですからね。途中まで、私がお供しましょう』

結局、Aさんはこの夜の決行をあきらめて、
この親切な人について、無事に山を下りることができました。
ですが、Aさんが、ちゃんとお礼を述べる前に、この方は別の道へと行かれたので、
Aさんは、その後ろ姿に、
『ありがとうございました』と声をかけることしかできませんでした。

ところが翌朝、
遅く起きたAさんが、食事をもらいに旅館の厨房にお顔を出すと、
顔なじみになった、旅館の仲居さんたちが、今朝の事件の噂話をしていました。

それは、Aさんが目的としていた、例の断崖の下で、
今朝、遺体が発見されたというお話でした。

Aさんは驚きましたが、仲居さんたちに、昨夜のことを知られてはいけないので、わざと気のないふりをして、さりげなくたずねてみました。
すると、
発見されたのは、60才くらいの男性で、
この旅館の常連の方だったそうです。
仲居さんもよくご存知の方だったのですが、
今年はまだ、お見えになっていなかったということでした。

Aさんは、その特徴から、昨夜の男性のことを思いだし、
形相をかえて、仲居さんにくわしいことをたずねると、
その遺体は、すでに死後1週間以上を経過していたとのことでした。

では、昨夜の人は、その人ではなかったんだな、と
Aさんがホッとしたあとで、
もうひとりの仲居さんが御膳を運びなから、ポツンとこういいました。

『会社の帰りだったのかね。スーツのままだったそうよ。息子さんが大学に入ったって、去年喜んでたんだけどねえ。いろいろ悩んでたんだろね』

Aさんは、その場に立っていられなくなり、
そのまま膝から床にしゃがみこんでしまったそうです。




Aさんは、現在、ある会社の重役さんになっておられます。
このお話は、Aさんのゴルフ仲間でもある、私の知人が、ある機会にご本人からうかがった実話だそうです。
真相の是非はともかく、
Aさんは毎年お盆には、ご先祖様とともに、
この見知らぬ方のご供養を、今でもされているそうです。

16 : 23 : 54 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(23) | page top↑
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コメント
--永遠の想い--

高校時代の仲間で自ら命を断った者が居ます・・・ その時は未だ人が死ぬ事の意味が自分自身、よく解って居なかったかな・・・亡くなる前日に、ふっと「あいつは元気かな? 呑みに誘おうか?」と想った矢先だったので、虫の知らせだったかも知れません。 いまでも 声が聴こえる気がしますが なんて事を書き込んで居たら、全国ニュースでその出身校の近くで川下り舟の転覆事故との事です。
by: 只野 親父 * 2011/08/17 17:51 * URL [ 編集] | page top↑
--怪談--

こんばんは。重い話ですが、ただの怪談ではなく、読み終えたあとで、心に残ります。真相の是非はともかく…の部分に、おろちさん自身はこの怪談を信じていないことが伺えますが、それがこの話をさらに効果的にしています。自分の感情を交えず、たんたんとした語り口であるがゆえに、この短い文の中にドラマがあります。前にPOKEさんが、おろちさんならではの記事、言われていましたが、私も、とても聡明さを感じました。
by: しゅう50才 * 2011/08/17 18:58 * URL [ 編集] | page top↑
--Aさんのお話・・・・それで・・・私の場合は--

自分の事を書くのはチョイ悩むノだけど私も20歳代に一度だけ押しつぶされてある湖の石畳で死を・・・・・などと考えた事があります、標高も手伝い寒い夜でしたが「ならば楽に」などと考えていました、翌朝目が覚めると鮎釣り解禁日で多くの釣り人が釣りを楽しんでいたのを見て何かが自分の中で変わるのを感じ生きようと思ったものです。

些細な事なのですが今思えば鮎釣り解禁という出来事が私の生き方を変えたと言うお粗末に思える出来事です。

それから何度か同じ場所を訪れ人と接し、さらに今の妻が妊娠したときにも当時を思いながら遊びに行ったものです。

ちょっとAさんほどでは無いのだけど、その場の雰囲気と時間や偶然居合わせた釣り人・・・・・

  何かを感じます。  普通な話で申し訳ない^^;
by: HERA * 2011/08/17 19:13 * URL [ 編集] | page top↑
--只野さん--

こんばんは~
『虫の知らせ』はあるかもしれませんねー
例えば動物は、災害が起きる前に、それを感知して、事前に場所を移動したりすることがあるそうです。
何か、科学的な根拠があるのかもしれませんが、今のところまだ、よくわかっていないそうです。
私たちはそーゆーわからないことを『怪談』とか『虫の知らせ』とか言ってるのかもしれませんねー。
そのうち、すべての謎が解明される日がくるかもしれません。
by: おろち * 2011/08/17 19:16 * URL [ 編集] | page top↑
--しゅうオジサマ--

こんばんは~

私、怪談は楽しいものだと思っています。
今回の記事も、重いものではなくて、楽しく読んでね(笑)
私、怪談は一種のロマンだと思うのよね。
ホントに怖いお話なら、誰も読まないし、興味もわかないと思うのよ。怪談は、やっぱ、楽しむものなんだと思います(笑)

素人話やから、稲川淳二さんみたいなわけにはいかないけどね(爆)
by: おろち * 2011/08/17 19:25 * URL [ 編集] | page top↑
--HERAオジサマ--

こんばんは~

私は、このお話を聞いたとき、
真実がどうのじゃなくて、この出来事をきっかけにして、Aさんが思いを変えて、もう一度やり直そうと考えたことが大切だと思いました。
絶望の淵から立ち上がるきっかけは、何でもいいのですが、そのタイミングで心に入ってくることが大事だと思います。
それを考えれば、一度は奈落の底に転落しても、負けずに這い上がってきた方々には、誰にも不思議なタイミングがあったのかもしれません。
ジンセはそのもが摩訶不思議。
いわば怪談なのかもしれません(爆)
by: おろち * 2011/08/17 19:42 * URL [ 編集] | page top↑
--そそ^^確かにね~--

生きると言うことへのキッカケて有るんだよね~

考えれば当時より今のほうが多くの悩みや問題を抱えてるのだけど一度こういう思いを経験するとなんてこと無いんだよ・・・
生きてる事の幸せって楽しいことばかりじゃ無いんだよね~
辛いことも幸せだから感じるの^^そして生きてるから感じることが出来るの・・

話は外れるけど。。。ブログデザイン変わったね^^
左から右へ・・・あ~目が回る~~~~ん
by: HERA * 2011/08/17 20:01 * URL [ 編集] | page top↑
----

もおv-12

またこんなこと書いてv-292

ここ、なんのブログなの?v-39

妖怪おろちのブログなのはわかってるけどねv-531v-8
by: ワタリ * 2011/08/17 20:04 * URL [ 編集] | page top↑
--ワタリさん^^--

妖怪おろちのブログでありんす・・・・・

 記事見るたび楽しいけどな~私はw

思ったこと感じたことストレートでいいジャン^^

で^^音楽がエクソシストって今気が付いた><
すみません;;文書に気取られて音楽聴いてません
ア!(* ̄○ ̄)( ̄о ̄*)ホ!!
by: HERA * 2011/08/17 20:08 * URL [ 編集] | page top↑
--こわ--

この話、Sから聞いて、俺も知ってる。
これは、ほんもんやぞ。そんな山ん中を夜中にスーツで登山してる人が、何人もおるか。
まして、昭和40年代やったら、舗装もされてなかったはずや。スーツでなんで、そんな道歩いてるんや。
ええ年した偉いさんが、今でも、真顔で話してるんやから、100%事実なんやろと思う。
俺はユーレイなんて見たことないけど、魂はあるんちゃうか。なんか、怖いわ。
by: Takashi * 2011/08/17 20:26 * URL [ 編集] | page top↑
--HERAオジサマ--

あ、ブログやけど、このお話のためだけに、ちょっとテンプを変えただけでありんす(笑)
白地にピンクの薔薇だと、雰囲気がでないな、と思って、黒系の背景にしました(笑)

つぎのお話までには、また元に戻します。
これ、いいテンプなんやけど、ちょっと画面が重いんだよねー(笑)
by: おろち * 2011/08/17 20:39 * URL [ 編集] | page top↑
--ワタリ--

おつとめ、ごくろさん

妖怪おろち、てなんや
ま、妖怪には違いないが(爆)

ここは、こんなブログです(爆)
決まったテーマはない(爆)
by: おろち * 2011/08/17 20:42 * URL [ 編集] | page top↑
--Takashi--

おう、私も事実やと思う。
その方がこんなお話を作る理由もないし、まして嘘つく理由もないからね。
山道で、その方は、確かにスーツの男性に会ったんだよ。
なんでスーツだったのかはわからないけどさ。
このへんが、『怪談』の面白いとこだよ。
あんたも本物を見たら、私に教えてくれろ。
記事に書いてあげる(爆)
by: おろち * 2011/08/17 20:48 * URL [ 編集] | page top↑
----

うらめしやー(⌒⌒)
記事に合わせてテンプレートを替えるって、新発想ですね(⌒⌒;)

道案内の紳士と発見された遺体が同一人物=幽霊だったとして、
その幽霊はAさんを自殺から救うつもりだったのか、
それとも単なる親切心から道案内してくれただけなのか、
いずれにしても、人のいい幽霊なので、自分が怖いモノとして語られるのは不本意かもしれませんよ(⌒⌒;)
by: ユーイチロー * 2011/08/17 23:58 * URL [ 編集] | page top↑
--あれ?--

SECOM 会社のほうが収穫数多いな??
なんで?
ピーチ収穫に寄りました~では^^
by: 匿名希望なオジサン * 2011/08/18 12:29 * URL [ 編集] | page top↑
--ユーイチローさん--

こんばんは~

そーだねー(笑)
でも、なんかビミョーに哀しいお話やね。読み手によって、いろいろなんやろけど、わるーい魂じゃなさそーやしね(笑)
あんまり、真夜中にひとりで、山の中をうろうろしないほうがいいね(爆)


by: おろち * 2011/08/18 18:43 * URL [ 編集] | page top↑
--匿名希望のかた--

こんばんは~

収穫にご協力いただいて、ありがとうございますー(嬉)
実は、私まだ会社にいるんだよー。
会社のPCはJをインストールしてないから、事務所からは果実園の様子がわからないんだよ(残念)
でも今朝1000個を超えたことは確認しました。
収穫にご協力下さっている皆様、ホントにありがとうございますー。お好きなだけ、桃を持っていってくださいねー(爆)
by: おろち * 2011/08/18 18:51 * URL [ 編集] | page top↑
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このお話はウソではないと思います。
現代科学的には証明できない現象は色々とあると思います。
長々書きませんが、以前、”めまい”に悩まされました。寝ていて起き上がるときに、ほんとに回転するんです。まともに立ち上がれない。それで大病院2つ行きました。めまいがさらにひどくなる検査ばっかり受けたあげく、適度な運動とストレスがどうの、と言われただけでした。あたまに来て家に帰ってふと思いついたのがエンポケで買ったアポロ光波動コースターでした。(またエンポケかー)オーディオ目的で買ったものですが、元々はオーディオグッズではなく、エンポケが音質が激変することを発見して売り出したんです。こいつの光を出した状態で枕もとに置いて寝たところ、なんと、一晩で、めまいが消えちゃったんですよ。いまでもこのコースターは小生のオーディオ小部屋には欠かせないものであります。でも、エンポケファン以外の”まともな”オーディオマニアにはまったく受け入れられない世界です。でも嘘でもなんでもありません。非科学的だとかいって馬鹿にしちゃいけない世界って、絶対にあると思いますね。
by: poke * 2011/08/18 20:25 * URL [ 編集] | page top↑
--まだ仕事か~頑張りんしゃい--

遅くまでお疲れ~
しかし今日は朝から暑かったね~も~早く起きたものだから一日(*゜o゜*)~゜ ボー
飯食ってトースト食ってコーヒー飲んで・・・・・・なんだ?この朝食状態
で^^; 会社に言ったら・・・「お~生きてたか」
皆暑さに打ちのめされてるってか~

おろちさんは元気イッパイだねw

SECOMは自宅と会社から収穫して応援してます。何故なら乙女な部分のおろちさんも応援してるからでありんす(爆)チョチュネ~^^;
by: HERA * 2011/08/18 20:28 * URL [ 編集] | page top↑
--HERAオジサマ--

こんにちは~

昨夜はめっちゃ遅い帰宅になって、半分死にかけていました(爆)
お休みをとると、全部自分にふりかかってくるから、こんなんやったら、まとまったお休みはもういらんわ(爆)
一日ないし、一日半くらいでいいです。
三日も休んだら、あとが大変だよ(涙)その日のお仕事だけで手一杯やのに、休んだ分までのお仕事なんてしてられん。結局、この三日で40時間以上働いてる計算です。死ぬわ(怒)。通勤だけで片道1時間半かかってんのに(怒)

『やってられんわっ』
って、昨日デスクでキーボード叩いて怒ってたら、上司が来て、
『部下をつけたろか』やて。
部下がついたら、その分、二倍の成績がいるやろがっ
くっそーっ
いつか、二週間くらい平気で休める身分になってやる。会社よ、覚えとけよ(怒)

てなわけで、今日も半日だけ出社して、とりあえずお休みしたぶんを取戻しました。もう、まとまった休日はいりません。明日休んだら、あさっては出勤します。
営業で、も少しがんばる。そんで、あと5年以内に班長になってやる(爆)
by: おろち * 2011/08/19 13:05 * URL [ 編集] | page top↑
--pokeオジサマ--

こんにちは~

不思議なことって、ありますよねー
考えれば、この世は不思議なことでいっぱいでありんす(爆)

私、ゆーれーでも、怪物でも、その実態がちゃんとわかるものは、こわくないと思います。ちゃんと、実体として、ゆーれーが出現したら、
『ゆーれーは、いるんだな』ってわかるからね(笑)

こわいなあ、と思うのは、
『あれは、何やったんやろ』って思うことです。
『姿なき幻』が一番こわいんだよね。
by: おろち * 2011/08/19 13:16 * URL [ 編集] | page top↑
--おろちさん^^ガンバだよ--

これからも~~~~っとしんどい事があると思うよ~
良く考えたら何日続けて働いてるんだろうって事は多く経験してます
私の場合は現場が多かったから尚更かもしれないけど、風呂入りて~ってくらい
寝る暇も無い日が数日続くことは多かったな~><

そういうとき一番大事なのは何処かで息抜きにコーヒーなどを飲んで一呼吸したり
食事を忘れず入れたりって事かな~気が付いたら倒れてた~なんてことあるからね^^;

忙しいときには短い時間でいいから気を抜く時間を作ること・・・これが言えることかな^^

    おろち~~~~~d(@^∇゜)/ファイトッ♪
by: HERA * 2011/08/19 18:30 * URL [ 編集] | page top↑
--HERAオジサマ--

おはよーございますー

あー、今日はお天気はよくないねんけど、風が涼しくして、
秋の気配がする朝でやんす。
夏の終わりを感じますー

結局何もできないまま、今年の夏も過ぎてったなー
という感じであります。

お盆から、ずっと実家泊まりやったお母さんが昨夜帰ってきて、
また、普通の日常が始まりました。
近所の盆踊りも終わったし、あー、ホンマにね、月日が行くのは早いです。
この夏が終われば、秋には私も22才ですだ。昨年の今頃は、もーすぐ21才だとか言ってたから、あっという間でした。

今年は彼氏を作って、日本海を見に行く予定やってんけどなー(笑)
by: おろち * 2011/08/20 09:31 * URL [ 編集] | page top↑
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