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パリの空の下
2012 / 03 / 13 ( Tue )
私は、ちいさい頃、
日が暮れかけた時刻にお家に帰ってくると、
怖くて、ひとりではどうしてもお家の中に入れませんでした。

当時、私たち母娘は、
町はずれの、安アパートの一階に身を寄せていたのですが、
そこはとても日当たりがいい場所とはいえず、
日が暮れる前にお部屋に入って灯りをつけないと、
夕方には、お部屋の中が真っ暗になってしまうのです。

そのことを知ってるのに、
バカな私は、お友だちと遊ぶことのほうが楽しくて、
つい、そんな時刻になってしまうことがよくあったのでした。

お母さんが帰ってくる時刻は、
空の暗さ加減で知っていましたから、
そんな時は、私はいつもお家の玄関先にしゃがんで、
薄暗くなった外の明かりだけで、同じ漫画本を繰り返し読んだり、
ノートの隅に、落書きをしたりして
お母さんの帰りを、ひとりでじっと待っていました。

あれはいつだったか、
季節はもう覚えていませんが、
その日、またしても、お家に入れなくなった私は、
いつものように、玄関先で時間を過ごしていました。

ですが、その日はいつもより、
日が暮れるのが早く、
すぐに漫画本が読めなくなってしまいました。

途方に暮れた私でしたが、ふと、ふたつ隣のお家に、
もう明かりが灯っているのを見つけました。
そこで、そっと我が家の玄関先から、
明かりが漏れるそのお家の窓下に移動しました。

そしたら、しばらくするとそのお家の中から、
ボン…ボン…という、重い低音の響きが、聴こえ始めたのです。
今にして思えば、壁越しに聴こえるテレビか、ステレオの音だったのでしょうが、
私には、それがまるで、地獄の太鼓の音のように感じられました。

とても怖くなった私でしたが、
もう暗くなってしまった自分のお家の前へ戻る勇気もなく、
目的の漫画本を読むこともできないで、
ただ怯えながら、じっとその場にしゃがんでいました。

そのうちに、だんだんと不安になってきて
いったい今、いつ頃なのか、
もしかしたら、このままお母さんは帰ってこないのではないか、なんて思いはじめました。
恐怖と、心細さにかられて、何気なく空を見上げると、
今までに見たこともない
紫色の夕暮れが、空一面に広がっていました。

そこへ、自分のお家の方向から、聞き覚えのある足音が聞こえました。
紫色の空を下を抜けて
お母さんが帰ってきたのでした。

それを見つけたとたん、
私は、その場にカバンを置いたまま、
無我夢中でお母さんに駆け寄り、
しっかりしがみついて、
それから長い間、わんわん泣きました。

あれから十数年もたって、
こんな私も、一応社会人になりました。

ある時、行きつけの美容院で、
ちょっとした待ち時間に、ふと手にした、
ある旅行雑誌の記事の中に、
『パリの紫色の夕暮れ』のお写真を見つけました。
めずらしい夕暮れの風景に、
フランスを旅行された読者の方が撮影して、投稿されたものでした。

それ以来、私はフランスの夕暮れのお話をきくと、
自分がちいさかった時の、ちいさな魂を想いだして、
今でも条件反射的に、うるうるしてしまうのです(笑)

17 : 34 : 11 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(14) | page top↑
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コメント
--う~ん--

こんばんは!

う~ん、おろちさんらしさ溢れる美しい記事ですね! ”ボン…ボン…という、重い低音の響きでとても怖くなった私”・・・まるで映画を見ているようです。原風景なんでしょうね。

私は小さいとき、カギっ子で、引越ししたとき、定員の関係かなにか分かりませんが、そこに適当な保育園が見つからなかったらしく、電車で7,8駅ほどの他所の町の保育園に通いました。(保育園での想い出はまるでありません。)行きはその駅まで母と一緒で、帰りは仕事帰りの母が駅に迎えに来るんです。あるとき、ちっとも迎えに来なかった(来れなかった)ときがあって、すごく不安になったことをおぼえてます。それで駅員さんがバナナをくれたんですよ:)

God bless you !

by: poke * 2012/03/13 21:21 * URL [ 編集] | page top↑
--はじめまして。--

ご来店いただきありがとうございます。
とても心引かれる文章、思わずそーたいせー理論まで一気に読みました。
ゆっくり遡って拝見したいと思います。
by: やまねこけん * 2012/03/13 23:48 * URL [ 編集] | page top↑
--夕暮れ時は寂しくなりますね--

普段でも
夕暮れ時は寂しくなるのにね

小さいオロチさんが
ひざ小僧を抱えて
ブルブル怯えているのが見え隠れします
悲しみ震える小さな心は
落ちてゆく照度に比例して大きくなります

夕焼けの下から響いて来た足音は
逞しく温かかったでしょう
オロチさんの
ちょっと見は
冷たそうにみえて
実は温かな心
こんな経験の中から
培われたのですね

情景が浮かんで来て
チャンは
しんみりしてしまいましたよ(ノ_・。)
ありがとう
オロチさん
by: チャン * 2012/03/14 00:05 * URL [ 編集] | page top↑
--pokeオジサマ--

おはよ~ございます~♪

昨日はお仕事の後、ちょっとしたイベントがございまして、
帰宅が深夜になってしまいました。

ホワイトデーはいかがでしたかー
私、300円の義理チョコあげただけなのに、
昨日、オルゴールを返してくれた子がいたよ(笑)
顔に似合わずロマンチックなヤツだなーと思って
悪いから、ちょっとカラオケにお付き合いしていました(爆)

オジサマも鍵っ子だったんですね。
経験しないとわかんないやろけど、鍵っ子って、
いつも心のどこかに不安がありますよね。
それを乗り越えてひとりでいろいろできるようになれば、
自立心が育つのも早いんやろけど。

幼稚園児で、電車通園はちょっとした冒険ですね(笑)
がんばって、よく通いましたねー♪(拍手)
by: おろち * 2012/03/15 10:29 * URL [ 編集] | page top↑
--やまねこけんさん--

おはよ~ございます~
はじめまして~

ご返事おくれてすみませえん。
ブログ、ご拝見しました~
詩を書いてらっしゃるんですね。
ネコのお写真も可愛かったです~

私の今回のようなテーマには、
はじめからコメは期待しないで書いてるんですが、ありがとうございました。
また、あらためてそちらにも伺いますね~
by: おろち * 2012/03/15 10:36 * URL [ 編集] | page top↑
----

お早う御座います!

なかなか、春にはならないですね。
でも、今週の土曜日には春いちばんが吹くみたいですよ。


今回の記事は、コメントが難しいです。

どこまで、書いて良いのやら?

幼少の頃のうるうるする思い出ですね。
それも、テーマが「夕暮れ」ですか。
人間は、夕暮れ時が一番、心が寂しくなる時間なのですね。
動物は本能的に暗くなる前に不安になるそうです。

もちろん、寂しい思いをされたと思いますが、
でも、今のおろちさんがあるのはその辛い事とかがあって、
一生懸命、勉強されて、現在のしっかりしたおろちさんがあると思います。
でも、きっと、楽しい思い出が多いでしょうから、
これからの人生が大事ですね。

今回の記事では流石に旨く文学的な表現をされていますね。
それに、最後に、『パリの紫色の夕暮れ』として、
旨くまとめられましたね。
これで、少し、安心をしましたよ。


昨晩は、夜空を見られましたか?
実際に見ると、綺麗で価値はあったのではないでしょうか?
大阪では見る星は、本当に限られていますからね。
あの星を見てると、夫婦とか恋人同士みたいにみえます。
金星(男)が大きくて、木星(女)は小さいく見えますが、
実際の太陽系での大きさや役割は、全く逆ですよね。
男女間でもそうですが、女性の方が偉大なのですよね。

次回の接近は、来年の5月28日だそうです。
でも、今月の26日の金星、月、木星も時間があれば見て下さい。
by: moon-rainbow * 2012/03/15 10:37 * URL [ 編集] | page top↑
--チャンさん--

おはよ~ございます~

最初、どなたかな、と思ってしまいました(爆)
あー
しんみりさせちゃいまいましたかー(笑)

時々ねー
ふっとちいさい頃を思いだして、
ぼんやりしちゃうことがあるんですよね。

なんだろな、もしかしたら私は根っこの部分はいつまでも変わらなくって、
いくつになっても『紫色の夕暮れ』の下で、
誰かを待ってるのかもしれまっせん(笑)

なんか、私の中の『反骨精神』みたいなものは、
この頃に育ったんじゃないかと思ったりしてます(爆)
簡単にいえば、『ひねくれ者』ってことだけんど(爆)
by: おろち * 2012/03/15 10:51 * URL [ 編集] | page top↑
--Moonさん--

おはよ~ございます~

金星木星、見ましたよ~
別頁でお写真を見せてくださったので、
昨夜はあちこち探さなくても、すぐわかりました。
お天気もよかったですしねー
ありがとうございました~

今回の記事をアップする時に、内容にちょっと問題あるなーとは思ったんですが、
まーたまにはいいかな、と思ってそのままアップしました。
しばらくこの類のテーマは書いてなかったんですけんどね(笑)

今日は、時間もあるし、早々にテーマを切り替えて、
昨夜、お友だちと見たお星さまのことでも書こうかなと思ってます。
by: おろち * 2012/03/15 11:20 * URL [ 編集] | page top↑
----

こんにちは!

今日は、これで2回目です!

やはり、この記事は「文学作品」だったのですね?

夕べは、見られたのですね。
空気が澄んでいたので綺麗に見えたと思いますが、
大阪ではなかなか天体ショーは見れない数少ない現象ですので、
僕も昨日も見上げまして、写真を撮りました。
ちなみに、2013年の5月28日の接近は、あれよりもっと(3倍)近くなるそうですよ。


えっ!星をテーマに記事を書かれるのですか!
楽しみです。
ちなみに、金星は一番大きく綺麗に輝いているだけですが、
木星は、我々の今の地球が存在するのも、
人間が存在するのも、絶対的に必要だった惑星だったのです。

僕の存在が、ちょっとはおろちさんに影響を与えていますか?
(自信過剰???ーーそんな訳ないやろ!)


ところで、最近、FC2の調子が悪いですよね。
肝心な時に操作が出来なくなります。
困ったものです!

まるで、僕みたいですね???
by: moon-rainbow * 2012/03/15 14:03 * URL [ 編集] | page top↑
--Moonさん--

あははは(爆)

ぶんがくさくひんって、
ただの日記ですよん(爆)
一年半ほど前に、同じテーマで書いたことがあるだけでござんす。

2013年って、来年ですか。
それまで、白蛇伝が続いてたら、写真付きの記事でも書くかな(笑)

影響はいろんな方から受けてますよん♪
音楽的には、最近koukouオジサマやまいたけさんのご影響を感じてますし、
pokeオジサマのチャンネルも面白いです。
記事的には、辻京一郎センセのブログみたいな感じの文体に憧れます。
さすがご本業といいますか、記事がやわらかくて、読みやすいです。
また、長さも理想的で、将来的にはこんなスタイルにできたらいいななんて思います。
もちろんmoonさんのご影響も受けてますよ♪

でも、結婚したらたぶん、ブログはやめちゃうと思うけどね(笑)

それより、こんなお時間に、お仕事はどうされたんですか(爆)
by: おろち * 2012/03/15 14:29 * URL [ 編集] | page top↑
--こんばんは!--

こんばんは!

Y男くん、いいかんじじゃないですか~♪
おろちさん、楽しい仲間といられて幸せですね!

この『パリの空の下』、美しいなあって思いながら、また読み返してます。もちろん、記事の内容自体と直接関係しませんが、Joan Baezが(も)カバーしたThe Roseという曲が聴きたくなりました。

昔、Janis Joplinをモデルにしたベット・ミドラー主演の映画がありました。
(映画館だったかホールのような場所だったか忘れましたが、見に行った記憶があります。)
それで映画のタイトルになったThe Roseという曲、ベット・ミドラー含めどなたかのカバーでご存じかもしれませんが、Joan Baezがカバーしているものがあります。warmで素晴らしいと思いますので、ご紹介します~♪ 
http://www.youtube.com/watch?v=YIfT4mgsHcI

とりとめのないコメントでした~
by: poke * 2012/03/16 20:34 * URL [ 編集] | page top↑
--pokeオジサマ--

こんばんはー

私、この曲はペッドミドラーで知っていました。
バエズさんも歌ってらしたんですねー

オジサマは、この記事で『The Rose』をご連想されたんですねー
私もいいお歌だなーと思います。

なんで『パリの空の下』なんだと、思われたことと思いますが、
実はこの記事でもっともお話したかったのは
『紫色の夕焼け』についてだったんです。

でも、書いてるうちに、本題からそれちゃって、
『紫色の夕焼け』のお話は、パリの空の下に結びつく接続詞みたいになっちゃったんです(笑)

最初から、アパートのお話だけをメインにしたら
『The Rose』のほうがぴったり合ったかもしれませんね(笑)
by: おろち * 2012/03/16 21:53 * URL [ 編集] | page top↑
----

大都会はどこでも忙しく生きる街ですが、どこかに必ず忘れ去られたような空間があるんですよね。パリもそんな大都会のひとつでした。もう十年にもなるかな、仕事で何年かぶりに訪れたパリの街はとある裏道で見つけたへんな自転車屋。狭い店内の棚一杯に折り畳んだちっこい自転車が陳列してある。店主が一人で切り盛りしてるわけだがさすがツールドフランスの国、その店主の自転車にかける思いの熱いこと。素晴らしかった。パリ中どこでもそのちっこい自転車で走って行くという。その心意気におされ後先考えずに一台買ってしまった。そこからです、折りたたみ自転車人生が始まったのは。今では車で出かける時もいつも積んであるし、東京のようなところへ電車で行く時ももちろん持って行きます。パリのオヤジがパリ中自転車で走り回るんだから、こちらも東京の街くらいと思って始めて見ると、思っていたより楽に自転車で何処でも行けてしまうんです。地下鉄にもタクシーにもお世話にならないし、思いっきり疲れたら畳んで電車にも乗れるし、実に快適。後で知ったんだけど持って帰ってきた自転車はブロンプトンという英国製であった。いまでもあの熱いオヤジさん元気かな。若い頃はパリには別の思いがあったけれど、今ではパリと言うと、フランス人のくせになぜか英国製の折り畳み自転車にかけた。あの熱いオヤジさんを思い出します。
http://www.dailymotion.com/video/xchpnp_elephant-une-heure-a-deux_music?start=0#from=embediframe
最近お気に入りのパリの若者デュオです。どこだろうパリの何処かの丘の上で撮ったらしいが現場で一発撮り。粋なPVです。
by: 許仙 * 2012/03/18 04:30 * URL [ 編集] | page top↑
--許仙さん--

おはよ~ございます~

むむっ
なんと、パリにお仕事で行って、パリの街で自転車をお買いになったと!
私、フランスの自転車といえば、『プジョー』だと思ってたんですが、
残念ながらもう生産されてないそうですね。
ある自転車雑誌で、イタリアには小さなハンドメイドの自転車屋さんが多くて、
路地裏の片隅で名車が作られているという記事を読んだことがあります。
フランスも似た感じなのでしょーか。

ブロンプトンですかー
名車ですねー
とっても個性的な折り畳み車で、
確か後輪とハンドルがフレーム下まで折曲がる個性的なミニですよねー
モールトンと並ぶミニの王様でありますー

動画のほうですが、
いい雰囲気のPVですねー
風の音や、車の音、子供の声まで入ってるのでホントの一発撮りですね。
でも、そんな雑音があっても、曲の雰囲気はとってもいいです。
ユニット名は『エレファント』ですか。
ちょっと興味がわいて、ホームページも観てみましたが、
現在アップされている『Rein』という曲もいい感じですねー
ちょっと、要チェックです~

むむっ
許仙さんはいったい何者?
そろそろご正体を現してください~(笑)
by: おろち * 2012/03/18 11:21 * URL [ 編集] | page top↑
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